初心者にもオススメできる京都一周トレイル
このトレイルは5つのコースに分かれていて、私たちは東山コースからスタートすることにした
サムトレ編集部が最初に歩いた歴史は、、、
① 御香宮神社(ごこうのみやじんじゃ – Gokounomiya jinjya)
東山コースのスタート地点、伏見桃山駅から一番近い寄り道ポイント「御香宮神社」の気になる歴史
御香宮神社(ごこうのみやじんじゃ)は、京都市伏見区にある神社で、安産・厄除けのご利益で知られています。この神社の歴史は非常に古く、奈良時代から平安時代にかけて創建されたとされ、長い歴史の中で様々な変遷を経て現在に至っています。御香宮神社は、特に桓武天皇(かんむてんのう)の時代に関わる伝承や、徳川家康のゆかりなど、歴史的な背景が豊富な神社です。
創建と起源
御香宮神社の創建は、伝承によれば859年(貞観元年)とされています。当初は「神功皇后(じんぐうこうごう)」を主祭神として祀っていましたが、これは神功皇后が三韓征伐の際に熊野から来て戦勝祈願を行ったことに由来するとされています。
御香宮の由来
神社の名が「御香宮」となったのは、平安時代の869年(貞観11年)、清和天皇の治世に、この地から良い香りがする水が湧き出したことがきっかけです。その香りの良い水は「御香水(ごこうすい)」と呼ばれ、これを聞いた清和天皇がこの場所を「御香宮」と名付けたと伝えられています。このことが、神社の名の由来となっています。
平安時代から室町時代
平安時代には、御香宮神社は貴族や皇族からも篤く信仰され、社殿の造営や修復が行われました。特に、後醍醐天皇や後伏見天皇が参詣した記録が残されており、歴代の天皇からも信仰を集めました。室町時代には、地域の人々にも広く親しまれる神社となり、御香宮の湧き水は名水として知られるようになりました。
安土桃山時代と徳川家康
安土桃山時代には、豊臣秀吉が伏見城を築いた際に、御香宮神社も伏見の守護神として位置づけられました。その後、徳川家康が関ヶ原の戦いの直前にこの神社に戦勝祈願を行い、見事に勝利を収めたことから、家康は神社に深い信仰を寄せるようになりました。このため、家康は神社の再建や修復に力を入れ、社殿を整備しました。
江戸時代
江戸時代には、徳川家の庇護を受け、さらに発展しました。特に、1626年(寛永3年)に徳川家光が伏見城の遺構を用いて御香宮神社の拝殿を建て直し、現在の美しい桃山風建築の社殿が完成しました。拝殿は豪華な彫刻や装飾が施されており、現在では重要文化財に指定されています。
明治時代以降と現在
明治時代には、神仏分離の影響を受けましたが、御香宮神社はその後も地域の信仰の中心として存続しました。昭和時代には、戦後の復興に伴い、神社の修復や境内の整備が進められ、現在も多くの参拝者を迎えています。神社の境内には、湧き水である「御香水」があり、今でも名水百選に選ばれるほどの清らかな水として親しまれています。
文化財と見どころ
御香宮神社には、多くの歴史的建造物が残されており、特に拝殿は桃山時代の華やかな建築様式を示すものとして重要です。境内には樹齢約400年の大きなクスノキがあり、これは京都市指定の天然記念物となっています。また、毎年秋には「御香宮神幸祭」という祭りが行われ、神輿渡御や様々な神事が催され、多くの参拝者で賑わいます。
まとめ
御香宮神社は、その長い歴史の中で様々な時代の権力者や人々の信仰を集め、現在も地域の守護神として崇敬されています。美しい社殿や清らかな湧き水、そして豊かな自然に囲まれた境内は、訪れる人々に歴史と伝統の息吹を感じさせる場所です。
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